スクランブル 強制横スクロールゲームの元祖 迫りくる地形、止らないスクロール

レトロゲーム
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コナミ スクランブル

コナミ
発表年:1981年

どんなゲーム?

  • 強制横スクロールシューティングの祖
  • 接触判定を持つ地形
  • 自機の飛行継続に燃料が必要

スクランブル ゲームレビュー

原文(旧レビュー原文)
右から左に強制スクロールするスペース・シューティング。
自機は水平発射する対空弾と対地ミサイルで敵地を進んでいきます。
この対地ミサイルの当て方が肝で独特の軌道で落下して行くため、目標に当てるのにちょっとしたコツが必要です。
現役で稼動していた頃は自分もまだ年端のいかぬガキンチョだったのでろくすっぽ先の面へ行けず(UFO面で終わってた)難しく感じてましたが、先頃のコナミ・アーケード・コレクションでリベンジとばかりにやってみたらなんだかんだ3周クリアくらいはできるようになりました。最終攻撃目標を対地ミサイルで破壊するのが美学だろうとは思いましたが、無理矢理接近して対空弾で破壊するという違った美学を見い出してしまいました。

原文だけを読むと知ってる人しか判らない内容なので、改めてこのスクランブルというゲームを説明します。

横からみた視点で画面右から左に強制的に流れていく横スクロールシューティング。スペースファイター(以下自機)を操作して敵陣深く進んで敵指令基地を破壊する、という内容です。大まかに特徴を書き出すと

  • 強制横スクロールシューティング
  • 地形に接触したらミス
  • 自機の飛行継続に燃料が必要

が挙げられます。さらに特筆要素として

  • 自機の移動の概念
  • ミサイルの軌道操作

が挙げられます。

横スクロール地形ゲーというジャンルをおそらく初めて確立したゲームだと思います。強制横スクロールと地形にフォーカスした原点にして頂点とも言うべきゲームです。上記の特徴の説明の前にまずは簡単にゲームの概略を解説します。

コナミ スクランブル… どんなゲーム?

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まずは自分が操る自機について!

スペースファイター(自機)

移動

自機は8方向に移動、画面真ん中に前進限界があります。自機の後ろ移動にこのゲーム特有のクセがあります。

対空砲

対空砲は一画面中に4発の水平射撃1ドット弾?が撃ち出せます。空中飛来物の迎撃に使用したり、地表スレスレを飛行して地上物を直接破壊します。弾の速度は速くはないので4発の弾が画面に出ていると次の弾が打てません。横画面なので注意。このゲームでは敵が弾を出して攻撃することはなく、全て体当たり攻撃です。

対地ミサイル

対地ミサイルは地上に設置された建造物を破壊するのに使います。一画面に2発まで撃ち出せます。このミサイルは独特の軌道を描いて地表に落下していきます。自機から射出されてすぐは水平方向に進行、その後一定の速度角度で斜め下に向かって落下していきます。敵に当たる、または地表に接触したら消滅します。この対地ミサイルはちょっとしたコツで着弾地点を微調整することができます。

ミスの条件

自機は以下の条件で1機失います。

  • 敵に接触
  • 地形に接触
  • 飛行燃料0
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残機が全てなくなればゲームオーバー!

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次にステージ構成!

ステージ構成

宇宙を舞台としたステージが地表 UFO洞窟 隕石 要塞 要塞内部と続き、それぞれに攻撃してくる敵がいます。
このステージ名は私が個人的に呼称しているだけで公式ではありません。

地表

スクランブル 地表面

高低差のある地表面。地上にミサイル、タワー、エネルギータンクが設置されており、ミサイルが自機を狙って飛んできます。このミサイルは自機の座標に反応して発射されるので、前移動で発射を誘発させてタイミングを操作することが可能です。また発射してこないミサイルもあります。地上物の破壊は結局自機と縦軸を合わせた水平射撃が簡単かつ爽快です。

UFO洞窟

スクランブル UFO面

画面の上下に当たり判定のある洞窟の中、UFOが行く手を阻みます。UFOは全て同じ動きをしますが結構いやらしい動きをしており、こちらの対空砲をすり抜けて洞窟の空間を網羅するように接近してきます。UFOの上下の動きの折り返し座標に合わせて対空砲を4発面で置いておくイメージで破壊していきます。撃ち漏らした場合は移動してやり過ごしましょう。

隕石

スクランブル 隕石面

前方より無数の隕石が高速で飛来します。地形すれすれをなぞるように飛行し、低い山に隠れながら地上物を破壊していきましょう。

要塞

要塞外部面。地形の隙間からミサイルが発射されてきます。地形が高く自機の可動範囲がかなり狭く、ほとんど画面上面に張り付くイメージです。設置された対空ミサイルは発射したりしなかったりします。常に前方移動限界付近を飛行しながらミサイルの発射の見極めをします。発射するかしないか分からない場合は一気に上空を前移動して通過でパスします。

要塞内部

スクランブル 要塞内部1
スクランブル 要塞内部2
スクランブル

メインコンピュータへと続く通路面。このステージにてこのゲーム最大の敵は強制スクロールと地形だと思い知ります。上下移動が多くなりますのでできるだけ前方移動限界で待機しての地形対処となります。後述する自機の移動の概念が突破に重要不可欠となります。通路を抜けてKONAMIビルを超えたらメインコンピュータが現れます。対地投下ミサイル、または降下して対空砲で破壊してクリアです。仕損じても無限ループで破壊の機会はありますが、エネルギー切れに注意。

2週目以降は自機の飛行燃料の減りの速度が速まる以外は1周目に同じです。エネルギータンクを丁寧に破壊していく心づもりが必要になります。逆に1周目はそれほどエネルギータンクの破壊は気にする必要はないかもしれません。

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次にこのゲームのゲーム性・特筆事項を説明します。

スクランブル ゲーム性・特筆事項

強制横スクロール

一画面強制横スクロールです。常時画面右から左に地形マップが常時一定の速度で画面に流れ込んできます。プレイヤーはスクロールをコントロールできません。むしろプレイヤーが強制スクロールに合わせる必要があります。

ぶつかる地形

様々な地形が強制スクロールで流れてきます。激突で1ミスです。ゲーム後半に行くにつれ、地形の厳しさが増します。地形は破壊できず強制スクロールは止められません。このシンプルなルールの絶対感はこのゲームならではです。

燃料が必要

このゲームの自機は燃料で飛行しています。燃料は飛行時間と共に減少していきます。燃料が0になれば1ミスとなりますので、プレイヤーは燃料を補給する必要があります。地上に設置されたエネルギータンクを破壊すれば一定量が回復します。このシステムによりプレイヤーは地上に設置されたエネルギータンクを破壊する必要性が発生し、積極的に地上物を破壊する動機となります。

自機の移動の概念

自機の位置は画面座標では後ろに移動しますが、地形座標ではその場停滞です。横スクロールの流れる速度と自機の後退の速度が完全に同じなのです。よく分かる事例は

  1. 地形で大きめの山が出てきたとします。
  2. スクロールで流れてくるその山の頂上が自機の真下にくるように前に進みます。
  3. 山の頂上の真上まで来たらレバー後ろで後退。
  4. 画面上では自機は後退開始の位置から後ろに移動していますが、自機の真下は依然として山の頂上。

このゲームでは後ろ移動はその場に留まるホバリング相当なのです。山頂の例でも分かる通り、このゲームは一度前に進んだら自機より後ろの地形には後戻りできません。一度通過した地形座標には戻れないのです。このクセを理解しないと最終面の要塞内部がクリアできません。

ミサイルの軌道操作

ミサイルの軌道は常に一定で前方+下方に放物線状に落下します。その際に重要なのは
発射されたミサイルは自機の座標を基準に動いていることです。見た目的に言うとミサイルを発射して自機を前方移動させるとミサイルは加速してより前方に届き、後方移動させるとミサイルはすごくゆっくり進んでいるように見えます。自機移動なし、レバーニュートラルの場合はミサイルは普通に進んでいくように見えます。ミサイルの速度を3段階に調整できるのです。

ミサイルの速度は式で表せます。定義としてミサイルに作用する力を下記とします。前方に進む力を[ 1 ]、後方に進む力を[ -1 ]とします。

ミサイルに作用する力

  • ( a )ミサイルの推進力 [ 1 ]
  • ( b )スクロール [ 1 ]
  • ( f )自機の前方移動 [ 1 ]
  • ( n )自機の移動なし [ 0 ]
  • ( r )自機の後方移動 [ -1 ]

とします。

自機の移動パターンは( f )forword ( n )neutral ( r )reverse の3つ。
(a)(b)はゲーム内で一定です。

これらの定義でミサイルの速度計算の式が成り立ちます。

1)自機が前方移動した場合
ミサイルの前方移動速度=3
式=( a )ミサイルの推進力 [ 1 ]+( b )スクロール [ 1 ]+( f )自機の前方移動 [ 1 ]

2)自機が移動しない場合
ミサイルの前方移動速度=2
式=( a )ミサイルの推進力 [ 1 ]+( b )スクロール [ 1 ]+( n )自機の移動なし [ 0 ]

3)自機が後方移動した場合
ミサイルの前方移動速度=1
式=( a )ミサイルの推進力 [ 1 ]+( b )スクロール [ 1 ]+( r )自機の後方移動 [ -1 ]

③の場合は( b )スクロールは( r )自機の後方移動に相殺されます。

このミサイルの速度調整を覚えるとミサイルの着弾地点を微調整できるようになります。例えばミサイル高度が足りずに目標の手前で着弾してしまいそうな時は、自機を前に移動させてミサイルを加速させて目標に(無理やり気味に)ぶつけたり、またミサイルが目標の後方に着弾しそうな場合は自機を後ろ移動させてミサイル速度を最小化させて着弾調整したりと、ミサイルの着弾調整が割と効きます。そこが分かると俄然このゲームが面白くなります。プレイを重ねてくうちに目標にミサイルを狙って発射するよりも速度調整してぶつける感覚になってきます。操作も重要なゲーム性です。

まとめ

横スクロール地形ゲームの元祖がこのゲームです。強制スクロールと地形の組み合わせはゲーム内で絶対の真理であり、プレイヤーはゲームの作者の意図をよく理解した対処が求められます。

このゲームを後年発売された名作タイトルグラディウスの布石だとする向きもありますが(まぁ公式ですがね…)、私にしてみればまるで別物です。グラディウスはここまで地形にシビアではなく、スクロールが停止する場面すらあります。地形にシビアという面ではこちらの方に軍配が挙がります。このゲームはもっと評価されていいと思います。

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パワーアップ要素がないのでミスしても立て直しが楽!

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立て直しではなく再突入(Retry)、が適切!

当然、名作です。

迎麻1UPらっきー

迎麻1UPらっきー

レトロゲームの追憶、IT系、自身の近況、フィットネスについて書き綴ります。記事へのコメントなどはX(旧Twitter)まで。

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