ナムコ
(現バンダイナムコアミューズメント)
発表年:1981年
どんなゲーム?
- 8方向スクロール宇宙シューティング
- 位置レーダーと敵攻撃態勢の表示
- 自機の位置取りと機首向きの調整要素
目次
ナムコ ボスコニアン ゲームレビュー
原文(旧レビュー原文)
このゲームは現役ではプレイしませんでしたがこの間友人の家に行った折りプレステでありましたので思わず熱中してしまいました。『ああ、こんなゲームだったんだ』等とやってるうちに友人も感化されたらしく、2人して朝まで熾烈な(いや、一方的な)スコア争いをしてました。ちなみにその友人は某なんたらファンタジーとか『ポリゴン使用の3Dなんとか』とかやってた奴で、自分は最近は格闘対戦ものばっかりという人間が2人してこのゲームに熱中してしまったという事実は、ゲームのおもしろさとは何か?というひとつの核心を示しているように思えてなりません。ちなみにこのゲームは後のファミコン・ゲームの「スター・ラスター」と同じ世界のようです。namcoの携帯着メロのスター・ラスターは感涙の出来栄え!
隠れた名作 ボスコニアン
原文は1998年9月〜10月辺りに記述したものです。その時期にの高校時代の友人の家に遊びに行った時の記憶ですね。
ボスコニアン、面白かったです。アーケード現役時代は全然プレイしませんでした。ファミコンでスターラスターをやっててその設定がボスコニアン戦争の後、だったので覚えてました。
このゲームは80年代当時にMSXやX1などのパソコンでの移植はありましたが、肝心のファミコンでの移植がありませんでした。もしファミコンで発売されていたらもう少しこのゲームの名前と面白さも認知度があがったと思います。もう少し評価されて良い隠れた名作です。
自家用パソコンをマイコンと呼んでいた時代!
ログインって雑誌あったよな?!
ゲームシステム
自機は画面の中心に固定、8方向に自由に向きを変えてスクロール可能。自機の前後に弾を発射できます。同社のラリーX的に画面端のレーダーで前線基地の位置を見ながら全て撃破していきます。宇宙空間はレーダー左右端、上下端が繋がっています。
パックマンのワープみたいなもの?
レーダーで敵前線基地の位置を示すものに後年のセガ ファンタジーゾーンがあるぞ!
レーダーの上に敵の攻撃強度を示すコンディション表示があり、強度順にGREEN YELLOW RED。コンディションREDは総攻撃。
偵察機(スパイシップ)を生かして帰すと総攻撃…来る~!
このゲーム、合成音声の英語でいくつか喋ってくれます。
- Blast Off
- Alert
- Battle Stations
- Spy Ship Sighted
- Condition Red
敵の前線基地
撃破対象である前線基地のデザインが非常に印象的で、同時にゲーム性に直結しています。前線基地は開閉式の防護シェルターを備えたコアを中心に6つの砲台が接続された形状をしています。撃破には6つの砲台全て破壊する、または防護シェルターが開いている時にコアに弾を撃ち込みます。
前線基地の形状を見れば分かる通り、6つの砲台を1側面からの攻撃で全て破壊することはできません。コアの反対側の砲台を破壊するために反対側の側面に回り込む必要があります。またコアを破壊するならば、防護シェルターの開閉のタイミングと撃ち込める方向も考慮します。
射撃の方向は縦なのか横なのか?!
斜めもあるぞ!
ボスコニアン まとめ
- レーダーを見ながら前線基地の場所を確認しつつ、
- メイン画面で前線基地が破壊できる位置と向きを確認しつつ、
- 自機をいかに射撃が通る位置と向きに持っていくかの思考要素
シューティングでいながらパズル的要素をも持ち合わす、シンプル奥深ゲームです。
ボスコニアン キービジュアル 長岡秀星さん
このゲームは何かを語れるほどやりこんではいないのですが、いつも行ってたゲーセンの壁に大きなポスターが貼られていました。スペースシップのコックピットから敵前線基地を見るモニター越しの映像+キャノピー越しの実物のイメージ。照明を落とした薄暗い店内、当時は禁煙などあり得ない煙草の煙が揺蕩う中、そのポスターが放つ独特の雰囲気。物凄く玄人感を感じた記憶映像です。
この記事を書くにあたり色々と見ましたが、このポスターの原画を描いた方は長岡秀星さんという有名イラストレーター・画家だそうで、70年代~80年代で洋楽ジャケットのビジュアルなどを手掛けてきた方だと知りました。さらっとアートワークを拝見させて頂いた印象としてとても宇宙的・未来的なイメージを幾何学的な線描と計算ずくの構図で織りなすクールな作風とお見受けしました。とても日本人が描いたようには思えないくらい日本人離れなセンス。このゲームにとても似合うビジュアルをありがとうございました。この記事を書いて私にとっても良かったです。あの時ゲームセンターで見た強烈な印象のポスターは、40年後の私に長岡秀星というイラストレーター・画家の名前を届ける、私にとってちょっとしたタイムマシン的な役割を果たしてくれました。長岡秀星さんの描くイメージにも似て面白いですね。
余談 ジョルジオ・モロダー
長岡秀星さんが手掛けた70年代~80年代の洋楽ジャケット一覧を見ていると中にジョルジオ・モロダー(Giorgio Moroder)の名前が。このジョルジオ・モロダーは70年代に楽曲にシンセサイザーを導入したダンステクノのまさに先駆者で、70年代のドナ・サマーのヒット連発などが良く知られています。さらにこのジョルジオ・モロダーの手掛けたプロデュースには多くの映画サントラもあり、ビバリーヒルズコップ、トップガン、ネバーエンディングストーリー、フラッシュダンスなど80年代の大ヒット映画音楽の名前がずらり並びます。ボスコニアンを現役でプレイしていた人にはその時代感が分かると思います。このボスコニアンは凄い所と色々繋がっていたんですね。
余談の余談 ダフト・パンク
私がジョルジオ・モロダーの名前を知ったのはダフト・パンクのアルバム、ランダム・アクセス・メモリーズ(Random Access Memories)の中の収録曲Giorgio by Moroderからです。曲の最初にジョルジオ・モロダー本人の語りがあり、出身地を出てダンス・テクノ音楽で成功するまでの道のりがとても興味深い内容です。
またこのランダム・アクセス・メモリーズは2014年の第56回グラミー賞で最優秀アルバム賞、最優秀ダンス/エレクトロニカ・アルバム賞を受賞しました。
このアルバムはゲストの面子が凄い!
ボスコニアンと同じ世界 ファミコン スターラスター
原文のレビューでも触れましたが、このボスコニアンはファミコンゲームのスターラスターと共通の世界です。設定ではこのボスコニアン戦争が終わった後、この前線基地を宇宙連邦軍が押収・改造して補給や修理基地として活用しています。
ファミコンでスターラスター発売された当時、私は発売日に購入した覚えがあります。なにせゲームセンターに貼られていた印象的なポスターのボスコニアンの世界で、アタリ社の名作ゲームスターウォーズさながらの3Dシューティングが自宅でできるなんてまさに夢が実現したような思いでした。実際、告知のゲーム画面ではコックピットの向こうにいるのはスターウォーズに登場したデススターのような敵が!そりゃあ楽しみにしてたもんです。
しかしながらスターラスター、なんだか激ムズ…。3Dシューティングのみならずマップを俯瞰しての戦略も必要で、攻められている惑星をたった一機で守り切ることが求められます。3Dマップ上で敵攻撃隊にダメージを与える光子魚雷なども使って防衛戦を進めます。
デススターのような敵から発射される弾が誘導弾になっててとても避け辛かったりしました。何よりキツかったのが最終攻撃目標である暗黒惑星の存在座標の鍵を個別の惑星が持っていること。全ての惑星から鍵を得るとほんの数秒、暗黒惑星の座標がマップ上に視認できます。その鍵を得る前の惑星を一つでも攻め落とされるともうOUT。最終ステージである暗黒惑星の座標位置がマップ上で見えるたった一度の機会が失われます。費やした時間と労力に悪態を吐きながらリセットボタンに伸びる指。それでもめげずに暗黒惑星まで辿り着くも、鬼のような数で出てくるデススター風の敵ディスラプター。何度やっても当時の私には無理ゲー過ぎました。
結局私はスターラスターをクリア出来ず、最高称号であるMARSHAL OF FORCE PARAGONは授与されませんでした。
あまりの難易度の高さに次第に心が折れていき、どうせやってもダメだろうなと諦める、 10代の頃に味わった挫折感。良き思い出のゲームです。
暗黒惑星の座標はマップ上の点1ドットというシビアさ!
座標表示は一度きり数秒のみ!
テレビの画面にサインペンで印つけて親に怒られるまでが様式!