日本物産
発表年:1980年
どんなゲーム?
- 地上から屋上までビルの外壁を窓枠を掴みながら目指す縦スクロールアクション
- 2本のレバーでクライマーの右手左手を操作して窓枠を掴む・登る・横移動
- ビルクライムを妨害する個性的過ぎる面々
- 一度聞いたら癖になる音楽・効果音
目次
クレージー・クライマー ゲームレビュー
2本のレバーで左右の手の動きを制御して高層ビルを登っていくゲームです。途中邪魔してくるのは、上から植木鉢を落としてくるおじゃまMAN(<こうインストに書いてました)、飛んできてフンを落とすシラケドリ(ちゃんとあのシラケドリのテーマが流れる)、パンチングゴリラやら鉄アレイやら鉄骨やら落下してくる看板やら高圧電流やらええかげんにしろってくらい行く手を阻まれます。かなり気に入ってやってたゲームで(4面くらいしかいかないけど)、わざわざゴリラの下に回りこんで金◯さわさわとか、高圧電流に身をさらしタイミングよく抜けると素っ裸になる等くだらないことして友人達と盛り上がってました。自分のどうしても抜けられない最悪の障害は落ちてくる看板でした。あんな判定面積のでかい物が幾つも落ちてくるのでいまだに回避不能なんじゃないかと思えます。
2本レバー操作ゲームのパイオニア
アーケードゲームの黎明期に非常に大きな存在感があったゲームです。当時、特にゲームに詳しくない人でもビル登ってくゲームでしょ?と知ってたほど。
このゲームの主なインパクトポイントは先のどんなゲーム?に重複しますが
- 左右2本のレバーで両腕を操作
- 活き活きと描かれるクライマー
- クライマーを妨害する個性的過ぎる面々
- 一度聞いたら癖になる音楽・効果音
- ビルを登るという単純明快さ
順に解説します。
左右2本のレバーで両腕を操作
2本の8方向レバーがプレイヤーの右手左手に割り当てられ、それはそれは気味悪いほどグネングネンと両腕がよく動きます。レバーの動きと画面内のプレイヤーの腕が連動して動く感覚は斬新なものでした。
活き活きと描かれるクライマー
ゲーム内で操作するクライマーのスプライト表示が当時としてはずば抜けて多く、腕の方向や曲げ伸ばしがまるでコマ割りのように非常に丁寧に描かれています。この表示パターンの多さでクライマーの動きが気味悪いくらいグネグネと動きます。
またこのゲームにはいくつか合成音声が効果音的に使われており、クライマーが喋ります。
上から植木鉢をぶつけられて痛てっ!
閉まっている窓が多くなかなか上に登れない時にがんばれ!
ミスで落下するとあぁ〜〜!
これらの当時としては画期的なアイデアにより、クライマーに人間っぽさを感じることができました。
クライマーを妨害する個性的過ぎる面々〜若干の解説を交えて〜
おじゃまMAN
開いた窓から顔を出し下にいるクライマー目掛けてニヤけた顔で植木鉢を落としてくる。落ちてくる植木鉢は両レバー下入れ、または上突っ張りで踏ん張って衝撃に耐えることができる。両腕が揃っていない時に当たるとミス。
しらけコンドル
小〇政夫のしらけ鳥音頭にのって現れてクライマーに甚大な糞害を撒き散らす害鳥。落とす糞がまたえらくジューシーで絶対に当たりたくない。
しらけコンドルの足を掴むことができれば後述のラッキーバルーンのように上階にスキップできるとの噂が私の周辺で誠しやかに流れ、実際にやってみようと何度もチャレンジしましたが無理でした。こういうデマがこの時代少なくなかったです。
キングコング
ビルの高層に住む?セレブなゴリラ。居住階にクライマーが接近するとスローテンポのピンクパンサーのテーマが流れて登場する。短距離ながら瞬間移動できる能力を有し、右に左に瞬間移動しては無防備なプレイヤーの脇腹にゴリラパンチをぶち込もうと狙ってくる。
キングコング居住階はキングコングが随分スペースを占有しており、クライマーの登れる窓は2列しかなく必ずゴリラパンチの射程に入る。コミカルに描かれていますがクライマーを◯す気満々の真っ赤に血走った両目を見たら震え上がること必至。
キングコングの真下の窓に移動して片手を上げて左右に動かすと、あたかもキングコングのあそこをなでなでしているように見え、ギャラリーの軽めの失笑を買うことができます。
こんなことして喜んでた小学生時代!
小学低学年のう〇こチ〇チンネタは鉄板!
鉄骨・鉄アレイ
画面上から回転しながら降ってくる鉄塊。落下の速度は一定だが軌道が不規則にカーブする。植木鉢のように踏ん張りがきかず接触でミスとなるが、がする程度の接触だとミスにならないケースもある。
鉄骨が落ちてくるのは上層階建設中のアクシデントなのかともまだ思えるが、鉄アレイは人のトレーニングの道具であり悪意のある人間の存在を感じてやまない。
シビレ看板
ビルに設置された看板から通電している電気配線が切れてブンブンと振り回る。クライマーが切れた配線に接触すると感電するものの即ミスにはならない。接触時間により感電具合を表すのかクライマーの身体が何色かに変色していき、一定時間感電したらミス。
ラッキーバルーン
出現している間に紐を掴むことができれば一定階を上昇できる。風船に掴まってお空を飛べたらいいなをやったらこうなった的なやつ。首尾よく紐を掴めたら流れる音楽は国民的なアニメのあの曲が流れる。
♪こんなこ〇いいな
♪できた〇いいな
♪あんな〇め こんなゆめ いっぱいある〜けど〜
一定の上昇をした後でクライマーは再びビルに降ろされる。たまに窓枠があまり開いてない困った場所に降ろされることがある。
ハズレ看板
窓4枠分の面積のある看板が上から落下してくる。鉄骨のように軌道は変わらず真っ直ぐ落下するが、あたかも階段からボールが跳ねながら落ちるような動きで落下してくる。当たれば即ミス。管理人は未確認ながら看板全てに当たり判定はないようなのですり抜けも可能らしい?
鉄骨にしても看板にしても一般道に落としたら大惨事間違いなしの大事(おおごと)なのに、このゲームでは割と普通の出来事のようです。
一度聞いたら癖になる音楽・効果音
このゲームにはBGMはありませんが多くの場面音楽や効果音がゲームを盛り上げてくれます。特に印象深いのはやはりしらけ鳥音頭ではないでしょうか。
稼働当時はまだあまり版権意識が薄かったのか、まるパクリの楽曲が多いのもこのゲームの特徴。現代の世でこれやったら一発訴訟ものではないでしょうか。これがあるからこのゲームの完全再現移植は困難なのでしょう。
あのテーマが流れてくるとなんだかとてもやるせない気持ちになる!
なんかギャアギャア鳴きながら糞害を撒き散らすし!
2面をクリアした時の場面音楽は多分映画スティ〇グのテーマだと思う!
版権意識がまだゆるかったおおらかな時代の産物!
ビルを登るという単純明快さ
両腕を操作してビルを登って行くというのは誰でもわかりやすい目的であり、極めて単純明快です。
妨害に対しては避けるしかないことも明快。
完全にランダムなのかは不明ですが移動可能範囲が見て分かる窓の開閉。それなりに絞られる移動可能範囲と妨害とが組み合わさるととても焦れるゲーム性。しつこい妨害に耐えてるのに登りたいのに登れる窓がない!耐えた後で開かれる登れる窓に一点突破決行!みたいな。
ちなみに画面左端にはクライマーの現在位置が表示されています。今クライマーは高層ビルのどの辺にいるのかが一目でわかります。
まとめ
割とマジでこの40年以上前のこのゲーム、どこかで見かけたらずっとやってられる自信あります。ガキの頃にクリアできなかった4面にオッサンになった今再度挑みたい。
その望みが叶う時がもしあれば、私はゲームを通じてこのゲームをやっていた子供時代の様々な記憶を掘り起こすことがような気がします。
あの時の匂い、音、あの頃の友達、温度…それらに紐づいているその時の思いと感情。1980年代に子供だった私の思い出がこのゲームの向こうに埋まっている。そんな気がします。
我々レトロゲーム世代はゲーム、友達、外出、自転車がセットで記憶されております!
間違いなく名作です!