セガ アーケード事業から撤退 街からSEGAの文字が消える?

雑記
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セガ経営のゲームセンターが完全撤退とのニュースが2022年1月28日にありました。セガワールドギーゴハイテクランドセガなどの看板名で馴染んでいたSEGAのロゴが街の風景から消えることになります。

sega fadeout
セガの名前が消える?

~引用ここから~
セガ、ゲームセンター事業から完全撤退 店名から「SEGA」消える
アミューズメント事業を展開するGENDA(東京都大田区)は1月28日、ゲームセンターを運営するGENDA SEGA Entertainment(旧セガ エンタテインメント、GSE)の全株式を取得したと発表した。セガグループはゲームセンター事業から完全撤退することになる。
GENDAがセガからGSE株14.9%を取得し、持ち株比率が100%になった。取締役会からはセガサミーグループ所属の吉澤秀男氏が退任。社名はGENDA GiGO Entertainment(GGE)とし、SEGAブランドで運営しているゲームセンターの店舗名は「GiGO」に変更する。
セガエンタテインメントはセガサミーホールディングスの完全子会社としてゲームセンター事業とゲーム機の開発製造を手掛けていたが、コロナ禍でゲームセンターの経営が悪化。2020年11月には株式85.1%をGENDAに売却していた。
セガはゲームセンター事業からの完全撤退を認めた上で、アーケードゲームの開発は継続するとしている。
参照記事はこちら
~引用ここまで~

非常に残念なニュースです。セガがアーケード事業から撤退する理由を考察したいと思います。

常にアーケードの先駆者だったセガ

大型体感ゲーム

セガは昔からゲーム環境の大きな変化に応じて、アーケードゲームそのものをゲームセンターに最適化させてきました。ファミコンなどの家庭用ゲーム機が普及しだした頃、自らもセガマーク3などの家庭用ゲーム機を販売する一方で、体感ゲームと称して大型筐体に乗り込んで操作するゲームを続々発表して家庭用と業務用の差別化を拡大させます。ハングオン、スペースハリアー、アフターバーナー、アウトランなどの一連の体感ゲームがそうです。筐体を傾けたり座椅子が大きく動いたりで、画面と体感の双方含めた新しいゲーム体験を作り出しました。設置スペースや資金の面で決して家庭用ゲームではまずマネはできません。その動きに追随するメーカーも出てきます。特にカーレースものと大型筐体は相性が良いので、新タイトルが様々なメーカーから継続して発表されています。銃型のコントローラーを構えて画面の敵を撃つゲームも定期的に出ていた印象です。このあたりの大型筐体系ゲームの系譜は途切れることなく継続し、その後一大ブームとなったビートマニアやダンスダンスレボリューションなどの一連の音ゲーに繋がっていきます。またタイトーの電車でゴー!なども大型筐体だから実現できたゲームだと思います。大型筐体のゲームが建物の壁面に居並ぶ壮観な光景はまさにアーケードゲームセンターならではでした。

ポリゴン対戦格闘ゲーム

またカプコンのストリートファイター2が対戦格闘ゲームとして人気を博するようになります。アーケードゲームのインカムの流れを変えた存在ですが、同時にアーケードでは対戦相手の確保が容易なことが追い風になります。人気の格闘ゲームをプレイするため、対戦相手を探しに客の方から来店する訳です。これは例え家庭用ゲーム機に格闘対戦ゲームが移植されたとしても一人ではCPU戦がメインになりがちですが、ゲームセンターに行けば誰かしら対戦相手がいるというのはまさにアーケードの強みです。こうした状況下でセガはバーチャファイターを発表します。ポリゴンで描写されたキャラクター達が3D空間の中で対戦するそのビジュアルを見た時に、当時の私はゲームが次の次元に行った!と思ったもんです。ただでさえ対戦格闘技ゲームが白熱しているところに、この3Dポリゴン描写されたキャラ群が参入したらどうなってしまうのか。結果は空前のバーチャブームが到来、社会現象にまで発展しました。バーチャファイターはシリーズ化して安定したヒットシリーズとなり、他のメーカーからもポリゴン描写の格闘技ゲームがアーケードを賑わします。ナムコの鉄拳などは2022年現在でもシリーズ稼働しています。また特に対戦格闘ジャンル以外のゲームでもポリゴン描写されたゲームが続々とリリースされていきます。まさにセガはアーケードの基準を作り上げてきたメーカーなのです。

セガ アーケード撤退 3つの理由

そのセガがアーケード運営から撤退します。時代の変化をよく把握してしっかり対策をし、成功を重ねてきたセガでも対処できないほどの変化でもあったのかと思います。私自身、生活環境の変化などもあってゲームセンターからは足が遠のいていましたが、アーケード業界には対戦格闘ゲーム以降新しいキラーカテゴリが出ていなかったようにも思えます。セガ アーケード事業撤退 に至る理由とは何だったのでしょうか。私が考えられるのは下記の3点です。

  • コロナによる感染拡大-密閉・密集・密接の回避
  • 都市型アミューズメントが仇-人口密集の繁華街ほど自粛
  • 弱みが同じセガサミー…協業パチンコも共倒れ バンダイナムコと明暗

順に説明していきます。

コロナによる感染拡大-密閉・密集・密接の回避

言うまでもなく2020年初頭から始まったコロナウイルスによる感染症(covid-19)の拡大の影響は非常に大きなものです。世界が変わったと言っても決して大袈裟ではありません。感染の回避・予防的措置はワクチンの開発・集団接種などの直接的なものから、「新しい生活様式」と銘打たれた数々の間接的予防行動が啓蒙されました。例えばマスク着用、アルコール消毒の徹底、人流の抑制、様々な業界の営業自粛などです。影響を被らない人々はまず皆無でしょう。この間接的予防行動の啓蒙で時の政府がいわゆる3つの密を避けましょう(3密の回避)を掲げました。3つの密とは

  • 換気の悪い密閉空間
  • 多数が集まる密集場所
  • 間近で会話や発声する密接場面

と定義されています。この3密を回避すべく飲食店を始めとする様々な業界が営業自粛を求められました。また緊急事態宣言で人々の外出自粛も何度かありました。その自粛ムードの影響は大きく、ゲームセンターも無傷では済みませんでした。改めてこの3密の定義を見るに、ゲームセンターは3密の条件にとても近い印象です。もちろんゲームセンター側でも感染対策は施されていますが、いかんせん世間的なイメージの分が悪い。このコロナ禍でゲームセンターへの入店そのものを控える人々が増えました。ゲームセンターの収入を直撃します。

都市型アミューズメントが仇-人口密集の繁華街ほど自粛

ゲームセンターは人通りの多い繁華街などで建物のテナントとして入っているケースも多く、電車の乗り換えのあるターミナル駅周辺なども得意とし、巨大ターミナル駅には何店舗も出店しています。我々ゲーマーは店舗毎の得意分野を把握して、場所替えで徒歩で移動して使い分けたものです。

この人が集まる立地にある時からパタリと人が消えたらどうなるでしょう?駅周辺立地の高単価賃料をペイできるだけの収入がなくなります。貸主は毎月いくらの契約で借主に貸しています。コロナという未曾有の災厄に見舞われ借主の
客が来ないから収入がない
事情も分かりますが、支払いは待ったなしです。

緊急事態事態宣言は多くの都市部で出されました。都市部に多くの出店をしていた業態はモロに影響を被りました。収入が激減し、高額な賃料はゲームセンターの体力を奪います。

セガサミー…協業パチンコも共倒れ バンダイナムコと明暗

セガと同じくナムコもアーケード事業を行なっていますが、セガほど苦境に陥ってもいなさそうな感じです。同じような環境下なのに何故?となります。ここで思い至るのはそれぞれの現在の社名です。
セガサミーホールディングスとバンダイナムコホールディングス、言うまでもなく過去に経営統合した企業の連名です。

セガの経営統合先のサミーはパチンコ台の開発元です。パチンコはコロナで業績が悪化した業界のひとつです。セガサミー自体2020年11月に約650名のリストラを募集したり、コロナ禍でパチンコ台が売れずに赤字転落したりと散々です。

対してバンダイナムコはコロナ禍が追い風となっている部分を持っています。お家時間の拡大がガンプラなどの制作需要やアニメなどのコンテンツ事業は好調です。2022年4月にはガンダムなどリアルロボット路線で有名なサンライズ(旧:日本サンライズ)をグループ統合する勢いです。サンライズの統合は私的に非常に微妙な機微を含む事柄です。サンライズの名前は消滅するようで、バンダイナムコフィルムワークスとなります。サンライズはイデオン、ザンボット3、ライディーンなど、私の幼少期に多大な影響を与えてくれた企業の名前も消滅です。セガの話をしてるかと思えばこちらでも延火というか、あちこちおかしくなってますね。

と、いうようにバンダイナムコはコロナ禍でも割とダメージ抑えめ運営です。セガサミー、バンダイナムコ、両者の明暗は明確です。セガサミーは結果として同じ弱点を持っている企業同士の統合でした。追い風も逆風も同じ、設備に集客ありきのビジネスモデルです。まさか集客できなくなる時代がこようとは誰も予想できません。しかしそのまさか、起きてしましいました。対してバンダイナムコは全く異なるセグメント同士の統合が効を奏しました。

セガ アーケード撤退 まとめ

考察すべき要素はまだまだありますが今回はこの辺りまでとします。私はセガのゲームセンターには幼少期から何十年とお世話になりました。多くの時間をセガと共に過ごし、様々な楽しい思いをさせてきてもらいました。ハイテクランド セガなどの店舗名称がなくなる。感じる喪失感。これまでの自分を振り返って欠かすことのできない名前だと改めて感じます。時代の流れ+コロナ禍による変化の加速とはいえ寂しい気持ちです。

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たくさんの楽しい思い出をありがとうございました。

迎麻1UPらっきー

迎麻1UPらっきー

レトロゲームの追憶、IT系、自身の近況、フィットネスについて書き綴ります。記事へのコメントなどはX(旧Twitter)まで。

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